10月11月は結婚式等も多い時期ですので、ウェディング関連で言うとドレスショップさんなんかもお忙しい時期のようです。
略礼服のブラックスーツやフォーマルウェアを着る機会というと、結婚式の参列だったり御自身の結婚式が初めてという方も多いと思います。
結婚式の御衣装の依頼も多い時期ですので、タキシード関連のデザインを本日は御紹介したいと思います。
御紹介するのは中々変わった配色のカジュアルタキシードです。
カジュアルタキシード|ブラウン
今回お客様にオーダー頂いたタキシードは正装のフォーマルウェアであるタキシードではなく、タキシードを原型としたカジュアルタキシードです。
簡単に言うと正装であるフォーマルウェアをカジュアルに解釈して、タキシード風に仕立てているデザイン衣装です。
いわゆる本来のフォーマルウェアには属さずアレンジが加えられたカジュアルな新郎衣装です。
会場もカジュアルですし、当人が着たい衣装をきるのが現代らしい在り方だったりします。
タキシード自体はそもそも夕方に着用するもので、別名ディナージャケットとも呼ばれる正礼装のフォーマルウェアです。
日本の結婚式の新郎衣装は長い年月をかけて非常に独特な慣習があって、良くわからない謎のデザインの物も総称してタキシードと呼ばれています。
あくまでも衣装なので日本的な解釈で着たい物を着れば良いとは思いますが、正式にドレスコードがあるような場面では定められたフォーマルウェアを着用していくのがマナーです。
どのように解釈するかは様々ですが、新郎衣装やウェディングスーツなど呼称は様々です。
新郎衣装やタキシードの現在
結婚式に着る新郎衣装にはかなり色々な種類がありますが、大きい分類からいうとオーダーとレンタルがあります。
レンタル衣装は文字通りのレンタルなので、3泊4日とか7泊8日とか定められた期間に貸出が行われ、期日がくると貸出店舗へ返却するというシステム。
急ぎの場合とかには着たい衣装があればサクッと借りられますが、サイズが合わなかったり着たい新郎衣装の取り扱いが無いお店が多いのも実情です。
オーダーの新郎衣装ないしタキシードは期間の定めなく、手元に残る事で今後の着用したい機会に合わせてデザインや素材等の好みを組み込む事が出来ます。
これは結婚式を挙げた方にはあるあるですが、挙式1年くらいは親族の集まり等の節目に写真を見返す事もしばしばあります。
そんな時にサイズの合わない不格好なタキシードや新郎衣装を着ていると、冷静に振り返って後悔の念にかられることも。。。
ブライダル業界のメンズ新郎衣装は長年かけて、丈の長い自称「ロングタキシード」や「タキシード」や「フロックコート」が定番でした。
白やシルバーの衣装なども総称してタキシードと呼ばれますが、それはタキシードではありません。
lifestyleorderはカジュアルウェディングの新郎衣装を先駆者として提案してきました。
今ではオーダーショップの鞍替えや、フォーマルスタイルからブレてカジュアルへ振替えたお店等様々です。
当店では基本的にはカジュアルのカテゴリを取っていますが、フォーマルウェアを理解した上で御提案させて頂いております。
また、着用する際の細かいフィッティング感覚も現場での経験値を踏まえて御提案しています。
例えばこちらのカマーバンド。
素材は基本となる御注文頂いたカジュアルタキシードの素材と共布で制作していますが、体型バランスに合わせて少し一般的なカマーバンドよりも深めにとっています。
※写真では向きが反対になっていますが実際に着用の際は、カマーバンドのヒダは上向きになるように付けますのでご注意下さい。
昨今はフォーマルウェアといえども、モーニングコートが昔のように普段着のように使われていた時代とは違いパンツの股上も浅くなりました。
足が短く見える事もありますので、多少也とも当店では深くお仕立て致しますがタキシードの場合は特にカマーバンドのサイズ感バランスも重要になってくる訳です。
蝶ネクタイはサテン素材ではなくカマーバンドと共布のブラウンウール素材の蝶ネクタイ。
蝶ネクタイも作り付けの蝶ネクタイは使わず、店頭にあるものはすべてダービーの結びタイプの蝶ネクタイを使用しています。
この作りは昨今多い蝶ネクタイの形状に比べて、かなりの量の生地を使用しています。
前から見た雰囲気は結び蝶ネクタイのイメージは崩さずに、手結びの蝶ネクタイ初心者でも付けやすい背面金具で取り付けが可能です。
一般的に普及している蝶ネクタイの場合は四角い布を1〜2枚に、真ん中の細い止めパーツ部分と少量の布で本体が構成されていて、更に安い商品になると首に回す部分の生地はグログランテープやリボンなどが一般的です。
取って付けた初めての蝶ネクタイ感が気になる方には、はじめから馴染みやすい形状ともいえます。
タキシードのディテールをカジュアルに表現
フォーマルとカジュアルは相反する性質をもっていますが、本来結婚式やパーティーなどにおけるフォーマルシーンに合わせるタキシードをドレスダウンしてオーダーするという流れです。
ショールカラーやヘチマ衿などと呼ばれる丸みを帯びた衿の形状。
一般的な本来のフォーマルウェアとしてのタキシードには、フォーマルウェア唯一サテン素材との切替になったデザインが入ります。
本来のフロックコートに使われるソウルオンラペルにも使いますが今は使われていないデザインが一般的です。
ハリウッドスターやレッドカーペット、007などのタキシードスタイルが直結しやすいイメージかと思います。
ドレスダウンなので、少しカジュアルに切替のデザインはサテン素材ではなくウール素材を使用。
オーダータキシードの場合だとこういった事ができちゃいます。
下の画像は拝み一つボタンと呼ばれる突き合わせで止め、モーニングコートやタキシードに使う内外両用のフォーマルスタイル独特のボタン付けです。
結婚式やフォーマルシーンは本来室内で執り行われる事が前提となりますので、腰ポケットのフラップと呼ばれるフタの部分は付けずに、両玉縁ポケットと呼ばれる切り込みのポケット。
上下ではなく片方に細い縁を付けるのが片玉縁ポケットです。
こちらのパーツにもフォーマルウェアのタキシードデザインを残した生地の切替を行っています。
素材はもちろんショールカラーの衿部分、拝み釦の生地と共布を使用します。
こちらはタキシードの袖口部分。
プリっとした丸みのあるフォルムが可愛らしい印象ですが、結婚式のフォーマルウェアデザインでは定番要素の一つです。
ジャケットのお尻の部分に当たる割れ目。
真ん中が開いているセンターベント、両側が開いているサイドベンツなど身近かなと思いますがフォーマルな仕様という事であれば割れていないこちらのノーベントスタイルが一般的です。
元々、運動量を考慮され設計されたセンターベントないしサイドベンツはシチュエーション的に異なるのでドレスダウンしたタキシードスタイルとは言え、ノーベントでフォーマルな仕様にしています。
オーダーメイドならではですが、内側は人様に迷惑をかけない部分ですのでカジュアルタキシード仕立てですし、ブラウン系と相性の良いグリーンとオレンジの玉虫色のストライプ柄をチョイス。
職種や交流関係でも大きく異なりますが、一般的には結婚式は1度きり(私の周りでは数回ある事もありますので否定的ではないのであしからず)
職種によっては毎月パーティーに参加される方もいます。
ちょっとした1年に1回の記念日でも気持ちを入れて、体型を見直す機会として手元に残せるオーダーメイドのタキシードは、きっと初めてのオーダーという貴重な経験と合わせて付加価値をもたらせてくれる事でしょう。
「大切な日にはやっぱり一番のお気に入りを着たい」
そう思って頂けるオーダーメイドのタキシードや新郎衣装。
はたまた二次会等で活躍するパーティーシーンに合わせた、フォーマルウェアやウエディングスーツ。
多様化する様々なフォーマルシーンに合わせて、制作実績豊富な当店が御提案致します。
「初めての事で分からない事が多く自信が無い」
「フォーマルウェアなんて自分で選べるのか分からない」
私自身も自分の結婚式の時は何を着たいのか迷いました。
結婚式場で通称サバと呼ばれるテカテカなスーツを勧められた事もあります。
TPOも大切ですが、取り巻く環境も踏まえた上での結論は「何を着たいか」が一番大切な気がします。
本当に着たいと思えるオーダーメイドタキシードやフォーマルウェアを変わらず御提案させて頂きます。
皆様の御来店お待ちしております!!
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