オーダーコートのデザインは数あれど、王道中の王道であるトレンチコートは普遍的なデザインの一つではないでしょうか。
軍用としての流れであるトレンチコートはtrenchなので溝を掘って身を守る塹壕(ざんごう)の事を意味しています。
そんな軍用から現代の定番商品に至るまでに関係性のある、デザインのディティールをNOMAまとめにて御紹介していきます。
現代的に少し簡略されたシンプルなデザインも多いですが、今回は王道のトレンチコートデザインです。
オーダートレンチコートについて
<目次 >
※クリックでデザインパーツ別に閲覧出来ます。
1.トレンチコート|衿のデザインとチンウォーマー
2.トレンチコート|ガンフラップとエポーレット(肩章)
3.トレンチコート|カフストラップ
4.トレンチコート|バックベルトとDリング
5.トレンチコート|インバーテッドプリーツとケープドバック
6.トレンチコート|貫通ポケット
1.トレンチコート
衿のデザインとチンウォーマー
トレンチコートのデザインは一般的なフォルムとしては以下の画像のようなフロントスタイルです。
基本的には前身頃がダブルブレステッドの合わせになっていて、袖付けの部分もジャケットとは異なりラグランスリーブが基本です。
ラグラウンスリーブとは正面からみてハの字になった袖の形状で、肩と袖が一続きに繋がっている運動量が出やすく動きやすいデザインの袖付け方法です。
アクティブに動いたり銃を持ったりと、アクティブな軍用の戦場で使われていた背景にも納得ではないでしょうか。
フルオーダーなので衿のサイズや形状もデザインの制限無く自由自在のオーダーメイドが可能です。
今回はスタンダードに7mmステッチ衿のトレンチコート。
こちらの画像はチンストラップ(チンウォーマー)部分になります。
防寒用に雨や風が入らないように設計された、取り外しが可能なトレンチコートのパーツです。
邪魔だという方はチンストラップを付けなくても良いですし、トレンチコート本体に縫い止めて制作しても大丈夫です。
トレンチコート|チンストラップ着用時右側
チンストラップ部分
2.トレンチコート
ガンフラップとエポーレット(肩章)
トレンチコートのオーダーでは必ず付けるデザインの一つです。
通称ガンフラップ。
なぜガンフラップかというと、元々は銃底を右肩にあてるので銃を放つ際の衝撃に耐えるために付けられていました。
という背景を踏まえまして、ガンフラップは右に付いているのが基本形な訳です。
天の邪鬼的にトレンチコートのオーダーをしたい方もいらっしゃるかもしれませんが、当店でトレンチコートのオーダーをご希望頂く際は、大体のお客様が王道のディテールでのオーダーを希望されています。
こちらもトレンチコートでは間違いなく良く目にするデザインだと思います。
肩に付いたエポーレット(肩章)部分です。
戦場で仲間が倒れた際に引っ張る持ち手になったり、水筒のストラップが滑り落ちないように付けられていたデザインです。
ショルダーラインがしっかりと出るので王道のトレンチコートらしいクラシックな印象が保たれます。
3.トレンチコート
カフストラップ
トレンチコートの袖口に付く細いベルトです。
菊穴と呼ばれる丸い形状の穴かがりにピンをさして着用したい場所で止めます。
また、菊穴の位置をずらす事でサイズ調整が出来ます。
トレンチコートを着用した際に袖口を絞り込みサイズ調整をする事で、雨風が入らない機能的な設計になっています。
4.トレンチコート
バックベルトとDリング
トレンチコートが軍服の流れがあるコートだという事は前述しましたが、こちらはDリング(ディーリング)と言って、水筒や手榴弾をぶら下げる役割を果たしていました。
現代でDリングが付いているトレンチコートを見かける事は少なくなりましたが、元祖トレンチコートの王様であるバーバーリ●やアクアスキュータ●と言ったトレンチコートには付いています。
私と同年代くらいの方のお父様の同ブランドトレンチコートを良かったら見てみて下さい。
メンズウェアは起源や生産背景が色濃く残っている物が多いですが、トレンチコートのデザインは細かなパーツが多いコートの一つです。
こちらはベルト部分に施した止め位置を安定させる為のループ抑えです。
内側なので見える事はありませんが、実用的で細かな気配りがされている設計です。
5.トレンチコート
インバーテッドプリーツとケープドバック
学生の時にインバーテッドプリーツというワードが妙に気に入っていました。
仰々しくも感じますが、優雅で運動量も調整出来る機能的なトレンチコートのデザインです。
ウエストライン位から入れています。
今回はオーダーではないと中々表現出来ないコートのサイズ感でもありましたので、着丈も比較的長めです。
インバーテッドプリーツの内側にはタブとボタンが付いていて、トレンチコートを着用する場面によってスリムに、足を広げる時にはボタンを外して運動量を最大限に活用できます。
元々は馬にまたがる時などにボタンを外してそのまままたがっていたので、安心の運動量を御約束致します。
まあ、いま馬に乗る方がいればそれはそれでご活用頂けます。
こちらは今回オーダー頂いたトレンチコートのバックスタイルです。
な・・・長い。。。
既に後ろ姿からは哀愁が漂うクラシックなトレンチコート。
後ろに付いているパーツはアンブレラヨークとかケープドバックなどと呼ばれる、背中側上部の袋状になっているヨーク部分です。
最も雨風が当たる部分の補強の意味合いとなり、二重構造になる事で内側への雨の浸透を防ぐ役割があります。
ボタンを付けたり付けなかったり、長さを深めに取ったりはお好みと体型に合わせてオーダー毎でこの辺りは調整しています。
もちろんアンブレラヨークの部分の形状やサイズなども自由に設計が可能です。
6.トレンチコート
貫通ポケット
トレンチコートのデザインの中でも、現在流通量の多いトレンチコートのデザインではあまり見なくなったデザインの一つではないでしょうか。
貫通?そう。貫通(かんつう)している腰につくポケットです。
今回はポケット口の両端にボタンが付いていて取り外しが出来る仕様になっています。
ボタンを外した状態です。
3分の1程度の所で縫い止めているので外せば稼働域は広がります。
パカっと。トレンチコートの腰ポケットが開きまして・・・
手が入ります。
そうです。内側に完全に貫通しています。
じゃあ物を入れると絶妙なスルーパスになるかと言うと、そうではありません。
トレンチコートの外側から手を通すと、内側の下側部分に袋布が付いていてこちらに入れる事が出来ます。
しかも貫通しているコートを着用した状態で、トレンチコート内側に着用しているジャケットのポケットにも触れるので、いちいち脱がなくても大丈夫な優れた仕様です。
トレンチコートの下にジャケットを着ていなければ、パンツでもアウターでも良いですがとにかく便利。
余談ですが、裏地はお客様の御希望でコットン素材を使用致しました。
こだわり派のお客様らしいコットン×コットンで手入れが楽な組み合わせ。
今回はクラシックな昔ながらのデザインを受けてのオーダートレンチコートとなりましたが、簡易的にデザインを現代らしく省略しての制作ももちろんOKです。
メンズ・レディース問わずにオーダーコートを承ります。
定番のデザインから特殊なデザインやサイズのオーダーコートはlifestyleorderへ御相談下さい。
皆様の御来店お待ちしております!!
店主
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