
ライフスタイルオーダーで実際にご注文いただいたメンズのオーダーコート事例を、定番のコートデザインを中心にいくつかピックアップしてご紹介致します。
当店のオーダーコートは定番のステンカラーコートやチェスターコート以外に、お客様が書いたイラストや持込デザインなど含め自由なデザイン設計が可能なフルオーダーデザインのコートまで承ります。
お客様完全オリジナルのコートから毎年必ずご注文いただくメンズ定番コートなど、デザイン事にご紹介していますので、これからオーダーコートを作る予定の方は是非参考にして頂ければと思います。
特にメンズコートの定番デザインであるチェスターコート、ステンカラーコート、トレンチコート、ピーコート、ダッフルコートなどの起源と合わせて歴史的背景を想像しながらオーダーいただくのも一興かと思います。
ページの上部にある目次から興味がある項目をクリックしていただければ、その部分だけでもご覧いただけます。
オーダーコートに関するご相談と解消

オーダーコートで解消できる事は・・・
- 好みの柄のコートが見つからない
→ 自分の好みの生地から選べる - 既製品だとコートのサイズが合わない
→ 自分の好みのサイズで作れる - 既製品だとコート丈が短い
→ 自分の好みのコート丈で作れる - 好きなデザインのコートが見つからない
→ 自分の好みのデザインで作れる - イメージしている色のコートが見つからない
→ 豊富な生地見本から色を選べる
上記のように既製品では満足できない方がご検討いただく商品がオーダーコートになります。
オーダーコートの参考価格と納期

オーダーコートの価格と納期について
コート分類 | オーダー価格 | 平均価格 |
チェスターコート | 税込¥162,000-〜 | ¥250,000- |
ステンカラーコート | 税込¥162,000-〜 | ¥250,000- |
ツイードコート | 税込¥193,000-〜 | ¥275,000- |
フルオーダー | 税込¥279,000-〜 | ¥350,000- |
ピーコート | 税込¥279,000-〜 | ¥350,000- |
トレンチコート | 税込¥326,000-〜 | ¥350,000- |
カシミヤコート | 税込¥335,000〜 | ¥400,000- |
※納期8週間〜(注文内容で変動)
※オーダー平均価格¥360,000-
※ご注文時期により納期は変動。
※生地・デザイン・コート丈により価格変動。
チェスターコート
オーダーコート事例
シングルのチェスターコートについて・・・
チェスターコートの由来 ※詳細を見る
1830年代から1840年代にイギリスで誕生し、第6代チェスターフィールド伯爵(ジョージ・スタンホープ)が19世紀に流行させたのがチェスターフィールドコートの由来と言われています。
その身体にフィットしたフォーマルなコートデザインが上流階級のなかで流行し、チェスターフィールド伯爵の名前を取った「チェスターフィールドコート」と呼ばれるようになり、現代では同義で「チェスターコート」という呼称で年代や性別を問わず定番コートの位置付けとなっています。
チェスターコートの起源としては当時の日常着であるフロックコートのデザインがベースになっていると言われています。
チェスターコートは、フロックコートと異なりウエスト切り替えが排除され、上襟と下襟で構成されるノッチドラペルを基本としたテーラードジャケットの着丈がそのまま長くなったシンプルなデザインとなっています。
クラシックなチェスターフィールドコートスタイルでは上襟のみベルベット素材が使われますが、これにはフランス革命で処刑されたルイ16世とマリー・アントワネットなどを悼む喪章に由来すると言われています。
軍服に起源をもつトレンチコートや、狩猟やレインコートとして活用されていたバルマカーンコートと言ったコートデザインに対して、社交界での正装としての起源をもつチェスターコートは、まさにフォーマルシーンに最適なコートの一つであると言え、現代でもビジネスシーンまたはフォーマルシーンに向けて着用される方が多いのがチェスターコートです。
選りすぐりのピュアカシミヤやウール生地から選んでオーダーメイドが可能なチェスターフィールドコート。
一般的には「チェスターコート」の愛称で呼ばれることが多いコートのスタイルで、上襟と下襟で構成されるジャケットのデザインとなっていて、そのまま着丈を長くしたようなデザインが特徴的です。
スーツスタイルから普段使いやフォーマルまで使用可能なデザインで、定番のメンズコートデザインとして定着しています。
膝上丈の既製品も多いですが、お客様のご希望に合わせてロングコートまで対応可能です。
チェスターコートで多いデザイン ※詳細を見る
- 生地:カシミヤ or ウール or ウールカシミヤ
- 打ち合い:シングルチェスター or ダブルチェスター
- ステッチ:無し or ミシン or ピック
- 前立て:打ち抜き or 比翼(フライフロント)
- 襟:ノッチド or ピークド or ショールカラー
- 胸ポケット:無し or 箱ポケット or ヴァルカポケット
- 腰ポケット:箱ポケット、フラップポケット
- 袖口:本切羽本開き or 筒袖 or ターンナップ
- 背仕様:センターベント、背ベルト有無








ダブルのチェスターコート
オーダーコート事例

ダブルのチェスターコートについて・・・
こちらのチェスターコートは一般的によく使われるコート専用生地ではなく、ブラックのウール生地を使用したダブルのチェスターコートになります。
ご紹介のデザインはコート丈も長くなりますので、「ダブルチェスターのロングコート」となります。
現代では膝上丈のショート丈のコートも多く市場に出回っていますが、オーダーメイドの場合はお客様のお好みに合わせてコート丈を自由に設計する、ロングコートでのお仕立てが可能となります。
ショート丈のコートが苦手な方や、厚手のコートが苦手な方をはじめ、着用場所を選びにくいためフォーマルシーンに採用される方も多いのがチェスターコートです。
カシミヤ素材や厚手のウール素材でのオーダーも可能ですし、フォーマルシーンも兼ねて着る場所を選ばず1着で汎用性の高いチェスターコートをお探しの方には黒系がオススメです。

(ローゴージ)





ステンカラーコート|セットインスリーブ
オーダーコート事例

ステンカラーコートについて・・・
ステンカラーコートの由来 ※詳細を見る
フランス語の「soutien」が日本語の発音によって変化し「スチアン」→「ステン」→ステンカラーコートとなった説と、stand and fall collarが短縮され「ステンカラー」となった説があります。
「soutien」には「支える・サポートする」という意味があり、コートの襟が首元を支えるように立っている形状を指して名付けられたという説です。「stand and fall collar」には「立ち上がった襟と折りまげた襟」を組み合わせた襟のデザインのステンカラーコートを意味し、この物理的な構造が日本語での発音の過程で変化し名称の由来となったとされている説があります。
日本では一般的に和製英語の「ステンカラーコート」の相性で呼ばれてますが、英国起源となるコートデザインは「バルマカンコート」と呼ばれています。
一般的に国内で認知されている愛称としてはステンカラーコートの方が多くの方には伝わりやすいかもしれません。
バルマカーンコートの由来自体は、スコットランドのインヴァネス近郊にあるBalmacaan(バルマカーン)という地名からきているとされています。
バルマカーンコートは1850年代頃から着用され始め、元々はゆったりとしたシルエットと雨の多いスコットランドの気候に対応するためのレインコートとして開発され、1870年代には海軍や政府関係者が着用する機能的なオーバーコートとしても愛用されていました。
チェスターコートとは異なり、一般的にはゆとりのあるシルエットでラグランスリーブのデザインがスタンダードな作りですが、現代ではセットインスリーブでのオーダーも多い汎用性の高いコートデザインがステンカラーコートです。
ラグランスリーブのステンカラーコートが多いのは、バルマカーンコート自体が元々レインコートとしての役割を担っていたため、肩線に縫い目が無く雨が入りにくいラグランスリーブが採用されていた経緯があるためです。
トレンチコートとは対照的にミニマリズム徹したシンプルなデザインは、最も汎用性の高いメンズコートの位置付けとなります。
ステンカラーコートは通称「バルマカンコート」や「バルカラーコート」とも呼ばれるメンズコートの大定番です。
チェスターコートと同様に前開きはボタンが見える打ち抜きか、ボタンの隠れる比翼仕立てが現代のオーダーの選択肢ですと一般的です。
ステンカラーコートはシンプルなデザインでビジネスコート以外に、カジュアル使いでも多く採用されているコートデザインの一つです。
また、最近ではビジネスとカジュアルで兼用される事も多いので「オンオフ兼用コート」の代表格でもあります。
体型に合わせたシルエットはもちろん、ローゲージのニットなどを考慮してオーバーサイズ気味に合わせてゆったりと着用する設計も可能です。
スリーブデザインはジャケットと同じセットインスリーブか、肩口からゆっったりと着用可能なラグランスリーブのいずれかになっていることが多いです。
お客様によってはラグランスリーブとセットインスリーブを合わせたスプリットラグランでのご注文ケースもあります。
こちらは実際に当店でお仕立てした別のカシミヤコートですが、スプリットラグランになっていて前後で袖付のデザインが異なるのがわかると思います。


決まったデザインのみでオーダーする完全工場規格で対応しているお店の場合は、スプリットラグラン自体オーダーを受けていない事が多いですが、このようにシンプルな定番ステンカラーコートも、当店のオーダーメイドなら細部に渡りお客様のご希望を反映させることが可能となります。
ステンカラーコート|ラグランスリーブ
オーダーコート事例

ラグランスリーブのコートについて・・・
ステンカラーコートで多いデザイン ※詳細を見る
- 生地:カシミヤ or ウール or コットン
- 打ち合い:シングル
- スリーブ:セットイン or ラグラン
- ステッチ:無し or ミシン or ピック
- 前立て:打ち抜き or 比翼(フライフロント)
- 襟:ステンカラー or セミステンカラー
- 胸ポケット:無し
- 腰ポケット:箱ポケット or シームポケット or 貫通
- 袖口:タブ付き or ターンナップ or 筒袖
- 背仕様:センターベント、インバーテッド
定番ステンカラーコートデザインで袖付がラグランスリーブになったスタイルです。
ラグランスリーブコートは、クラシックな装いで比較的ゆったり目で着用したい方からのオーダーが多いです。
画像のラグランスリーブコートは、ステンカラーコートの袖口でよく使われるタブが付いたデザインになっています。
カシミヤ、ウール、ツイード、コットンなど様々な素材でオーダー頂くステンカラーコート。
メンズコートで一番と言っても過言ではない定番デザインですので、お仕事用からプライベート用までご用途に合わせてオーダーメイドが可能です。
スプリングコートにする際はコットン、リネン、アクティブ系の化繊素材などを使用した軽量タイプもお勧めです。
コートを着用したままインナーのポケットにアクセスが可能になる、貫通ポケットは下記写真のような作りになっていますので、参考資料として掲載しておきます。
※貫通ポケットの詳細はリンク先のブログよりご覧ください。






トレンチコート
オーダーコート事例

トレンチコートについて・・・
トレンチコートの由来 ※詳細を見る
トレンチコートはさまざまな記述で知られている通り、塹壕(ざんごう)=trenchから由来される、軍服を起源とした現代に引き継がれる定番のメンズコートです。
トレンチコートの歴史は遡ると、ベースとなる防水コートで1800年代初期にチャールズ・マッキントッシュと発明家のトーマス・ハンコックによって開発された、防水布を使用したマックコートに始まると言われています。
マッキントッシュのゴム引きコート(マック)をベースに、1850年代に入ると現代でも知られるアクアスキュータムから改良版の防水コートが発表されました。
しかし原型となる防水コートは撥水性には優れているものの、通気性が悪く蒸れてしまう懸念点がありました。
その懸念点を改良したのは、1856年に21歳にして創業したBURBERRY(バーバーリー)です。
バーバリーは1879年にゴム引きコートの懸念が解消された、糸の段階でウール繊維に防水加工を施すことで軽量性があり撥水性・耐久性・通気性を実現したギャバジンを発表しました。
バーバリーはこのギャバジンを使用し、トレンチコートの前身となるデザインであるタイロッケンコートを生み出しました。
その後、タイロッケンコートをベースにした機能的な防水コートを第一次世界大戦において兵士たちがトレンチコート(塹壕のコート)と呼ぶようになりました。
戦場で生まれたこのトレンチコートという名称が現代の正式名称となった経緯を持っており、軍服由来と言われる所以です。
マックコートから改良された高品質の防水コートを最初に製造した創始者であると言う歴史的背景がトレンチコートの起源となっていると主張をするアクアスキュータムと、プロトタイプとしてトレンチコートの前身となるデザインであるタイロッケンコートの開発をした事を起源とするバーバーリーの主張があるようですが、現代において両者がトレンチコートにおける確固たる地位を築いている事は周知の通りです。
トレンチコートの特徴的なデザインは、元々軍服として使用されていた名残のある各パーツにあります。
銃を撃つ際の衝撃を緩和する胸当てのパーツ(ガンパッチ)や、手榴弾やナイフをぶら下げる金具として使用していたDリングなどが挙げられます。
また、エポーレット(肩章)には負傷した兵士を引っ張る際の持ち手として使われたり、または階級や所属を表す階級章をぶら下げる時、その他に水筒などのショルダーストラップがずれ落ちないように使われていたとされています。
トレンチコートの構造は機能的で、兵士が雨風をしのげるように防水や防風性能を考慮し、深い打ち合いのダブルブレステッド、チンウォーマー、ストームフラップ、アンブレラヨーク、貫通ポケットなどの機能的なパーツが備わっていました。
動きやすさやを考慮したインバーテッドプリーツや厚い軍服の上からでも着用しやすいラグランスリーブも、実用的な視点から考慮されたデザインルーツを持ち合わせています。
これらは軍服由来のトレンチコートならではのディテールであり、本来は現代で考えられる意匠性よりも機能性や実用性を重視されたコートとしての起源がデザインよりうかがえるメンズの定番コートです。
トレンチコートのディテール画像はこちらのブログでご紹介しています。
https://lifestyleorder.com/ordermade-trenchcoat-fullorder/
トレンチコートは一般的にコットン素材を中心とした製品が多いですが、オーダーメイドのトレンチコートの場合はコットン以外にウールやカシミヤ生地を使用してお仕立てすることが可能です。
起源をたどるとマックコート > タイロッケンコート > トレンチコートという流れになりますが、軍服由来のトレンチコートは現代ではジェンダーレスに着用される定番コートデザインです。
ガンパッチ、エポーレット、アンブレラヨーク、インバーテッドプリーツ、スロートラッチ、Dリング、貫通ポケットなどをはじめとした、いわゆる軍服の名残である王道のトレンチコートパーツが入る事が多いためメンズの定番コートの中で最も型紙のパーツ数が多いデザインがトレンチコートとなります。
しかしながら、工数が多く煩雑なデザイン設計の為、定番コートであるトレンチコートのオーダーを自由設計で受けているお店は少ないのが実情です。
当店では素材やデザインなどもお客様のお好みに合わせて、自由設計でのオーダーを承っておりますのでご安心ください。
スタンドカラーコート
オーダーコート事例

スタンドカラーコートについて・・・
スタンドカラーコートは先ほどご紹介したトレンチコートとは対照的で、最もシンプルなコートデザインの一つです。
特徴的な立ち襟のコートデザインは防寒性にも優れ、前を開けた時の襟元までのシルエットはスタンドカラーコート特有のビジュアルを持っています。
よりシンプルなデザインのコートをお求めの方には箱ポケットではなく、脇線の縫い目上に作るシームポケットを採用頂くと、外側から見たデザイン上はボタン一つと生地のみのシンプルなオーダーコートの作成が可能です。
レディースでも多く採用されているコートのデザインですが、メンズでスタンドカラーコートをオーダー頂く場合は厚手のウールやカシミヤを使用されるお客様が多いです。
ダッフルコート
オーダーコート事例

ダッフルコートについて・・・
ダッフルコートの由来 ※詳細を見る
ダッフルコートはベルギーのDuffel(デュフェル)に由来する名称と言われています。
元々は漁師の作業着から始まり軍服となり、その後日常着となった経緯を持っているため厚手のウール生地を使用したダッフルコートは防寒性に富んだ衣類であることを象徴しています。
現代の日本では室内環境や外的な気候要素を踏まえ、コートに厚手のウール生地が使われること自体が少なくなってきましたが、ダッフルコートやピーコートなどは起源となる用途において防寒性や実用性が求められるコートであった事は歴史的な観点からうかがえます。
ダッフルコートで最も特徴的なトグル釦は、海上で厚手のグローブを着用したままでも開け閉めがしやすい形状として考えられたものであり、フードは海上での雨風を凌ぐ用途として取り付けられていました。
現代では身近な定番コートの一つとなりましたが、歴史的な背景として第二次世界大戦後に軍用の余剰品として大量に余ったダッフルコートが、安価で市場に出回り若者に普及したことで一般層に多く広まったとされています。
普及した立役者として知られているのが現代でも日本のセレクトショップで別注商品が展開されるなど、ダッフルコートにおいてその確固たる地位を築いたグローバーオール(gloverall)です。
現代では日常着へと変化したダッフルコートは元々「海上での寒さにも耐えうるコート」として着用されていたものであり、ダッフルコートの厚手のウール生地はデュフェルで織られた防水性のある厚手のウール生地が発祥となっています。
その伝統的なデザインは今も変わらず受け継がれており、ファッション化された現代の日本においてもダッフルコートの原型のデザインイメージが定着しているコートの一つです。
ダッフルコートは特徴的なデザインとして頭に被せるフードや耐久性を高めるためのショルダーヨーク、前開きのロープに対してトグルボタンで止めるデザインなどが一般的には挙げられます。
本来は厚手の起毛素材で作られることが多いコートですが、ツイード・カシミヤ・コーデュロイ・モールスキンなどお好みの生地でオーダーメイドが可能です。
元々トグルボタンのデザインは寒い時にグローブを着用したままでも止め外しがしやすいように採用されていますが、オーダーメイドの場合はトグルボタン以外の仕様で作る事も可能です。
基本的にはカジュアル使いでのご注文が多いダッフルコートですが、ロングコート仕様やトッドボタン止めなど特殊なデザインでのオーダーも過去の制作事例としてご紹介しています。
ピーコート
オーダーコート事例

ピーコートについて・・・
ピーコートの由来 ※詳細を見る
ピーコートの由来はいくつかあり、海運大国であるオランダ語「pijjekker」の「pij」(ピイ)から派生したという説と、もうひとつの説として、アメリカ海軍に支持されていた名称として粗く厚い綾織りのウール生地を指す「pij」の生地と似た「pilot cloth」(パイロット・クロス)に由来するという説があります。
現代のテーラーの取り扱い生地においてはイギリス軍のユニフォームを手がけてきた1783年創業のHAINSWORTH(AW Hainsworth & Sons Ltd.)が展開する、「PILOTCLOTH」や「DUFFLE」など伝統的な生地として現行での供給もされています。
船のパイロットであるアメリカ海軍においてパイロットクロスが「pij」の生地に似た、重く耐久性のある生地である素材を別名「P-cloth」と呼び、それから作られた衣服を「P-jacket」。そして最終的に「peacoat」と呼ばれるようになったとされています。
船乗りのためのピーコートの特徴として挙げられるのは、風向きに合わせて前合わせを変えられるダブルブレステッド、顔や首を雨風から凌ぐための大きい襟周りの構造、縦型形状になったハンドウォームポケット、錨とロープが特徴的なファウルドアンカーが入った大きめのボタンが特徴です。
また、船員が甲板でも動きやすいようにショート丈で設計されている点も、ピーコートならではの起源を感じさせるデザインの一つです。
ピーコート(PeaCoat)はショート丈でネイビーの厚手素材で作られていることが一般的ですが、オーダーメイドの場合は自由な生地の選択が可能です。
ジャケット丈より少し長めの膝上丈が多いので、自転車や車などの移動時や日常使いでの取り回しが楽なデザインのショートコートです。
海軍の象徴である錨(イカリ)マークが入ったボタンでお馴染みのピーコートですが、元々は木製のボタンが使われていましたが現代ではプラスチック製のボタンが一般的です。
また、ピーコートにダブルブレステッド(前身頃が二重に重なっているデザイン)が元々採用されていた理由としては、寒い海上で風向きに合わせて左右どちらでも閉めて着用できるように考慮されていました。
オーダーコートなら、定番のピーコートからご自身の好みに合わせたピーコートライクなデザインまでオーダーメイドが可能です。
ツイードコート
オーダーコート事例


ツイードコートとは・・・
ツイード生地の由来 ※詳細を見る
ツイードの名前の由来は諸説ありますが、発祥の地であるツイード川(RiverTweed)にちなんで名付けられたという説と、スコットランド語で綾織物を意味するTweel(トゥイール)という言葉が、Hawickにあった織物商WilliamWatson&Sonsからロンドンの商人に送られた際に「Tweed」と誤読されたことから生まれたという説があります。
1868年に創業されたツイードのメッカHawickにある有名なツイードメーカーLovat Millでは誤読による説を記しています。
【補足】Lovatのツイードブランドは1868年に前身であるBLENCKHOLM & RICHARDSON LTDとして設立し、1975年にTEVIOTEXへ改名。
その後、1999年にHERMITAGE HOLDINGS LTDが設立されLOVATというブランドを立ち上げています
ツイードが実用的な作業着からファッションアイテムの一つと変わったきっかけとして、貴族達がスコットランドで狩猟やフィッシングなどのカントリースポーツ時に着用する服装としてツイードが使用されていたことが挙げられています。
アースカラーを基調としたツイード生地は狩猟の際にカモフラージュとしての機能を持ち、木の枝などに引っ掛かても破れない耐久性があるため、実用性において彼らのライフスタイルとマッチしていた事がうかがえます。
そのため、ハンティングジャケットなどにも自身の領地(estate)柄がモチーフとなるエステートツイードが使用されていました
エステートツイードは日本で言う家紋のような扱いがされていて、自身の領地を示すツイード生地は領地で働く狩猟番のゲームキーパーや使用人たちも着用しました。
これにより一目でどの領地の人間であるかを判断でき、所属を明確にする役割を果たしていたそうです。
ツイードコートは秋冬の定番素材の一つで防寒性、耐久性に優れた生地を使用したコートです。
現代までにおけるツイード生地の歴史的な用途を踏まえると、日本の通常使用においては充分な堅牢度があり耐久性に富んだ素材である事に間違いありません。
当店ではツイード生地は国産ツイードからインポートツイードまで、幅広いメーカーの取り扱い生地からお選びいただけます。
防寒性はもちろんの事、粗野な質感と温かみのある風合いや重厚感はツイードコートならではです。
大胆なチェック柄やアースカラーを基調とした生地が多いツイードは、各メーカーからカジュアルコートに適した素材が多く展開されています。
ツイードコートは着用が進むにつれ生地の風合いも柔らかくなり、自分の動きに合わせて屈曲面の癖がつき、経年変化ともに身体に馴染んでくるため愛着を持って末長くご愛用頂けるコートです。
オーダーコート注文の流れ

ご注文の流れ・・・
- コートの用途を決める
※ビジネス、カジュアル、フォーマルなど - 用途にあったデザインの選定
- 用途とデザインに合わせた生地の決定
- 裏地・ボタンなどの付属品の決定
- サイズ感の打ち合わせ
- 身体の採寸・サイズ方針決定
※インナーに着る物を考慮したサイズ感がポイント - 仮縫い採寸・サイズの決定
※別日に再度ご来店頂きます - 本縫・製品の完成
※店頭お渡しまたは配送にて承ります - 完成品のお渡し (専用ハンガーとケース付き)
オーダーコートの注文時期
コートはなぜ早めの注文が良いのか・・・
勘違いしている方もいらっしゃいますが、早くコートを買ってほしいのではなく、早くオーダーしないと実際に必要な時期に着られなくなるので、早い時期でのオーダーをお店側が推奨していることが多いと思います。
一般的にコートを縫製する職人の手の数には限りがあるため、月にお仕立て可能な着数が限られてしまいます。
また、工場縫製の場合でもシーズン商品の生産ラインは稼働時期が元々少ない(決まった時期のみの稼働)という事もあり、キャパが小さいためオーダー時期が一極集中する事で生産ラインがパンクして、納期が通常よりも掛かってしまいがちです。
オーダーコートはスプリングコートを除き、一般的には秋冬シーズンのご注文がメインとなりますので気温と連動して局所的に注文が固まりやすい商品です。
そのため、先ほど書いたようにシーズン商品の生産キャパ数が少ない事もありますが、気温が寒くなればなるほどオーダー数が増える事で制作納期が長くなる(オーダーが固まった時期に集中し完成までに時間がかかる)という傾向にあります。
オーダーメイドが初めての方には理解しにくい部分もあると思いますが、結果的にシーズン中に着る機会を増やすのであれば、本格的に寒くなる前にコートのオーダーをする事をお勧めしております。
基本的にお盆明けの9月以降は定番コート生地も含めて新作のコート生地も全て揃っていますので、9月頃を目安にオーダーコートのご検討を頂くと実際に寒くなるシーズンでの着用が可能となります。
是非、本ページをご覧いただきオーダーコートのデザインや納期の参考にして頂ければ幸いです。
ご予約お待ちしております!
店主
※本ホームページ内に掲載している画像の無断転載はご遠慮ください。
ショップについて
LifeStyleOrder |ライフスタイルオーダー
〒211-0004
神奈川県川崎市中原区新丸子東2-926-34 1F
tel 050-6877-6280 / op11:00 〜19:00cl
- 【JR線 武蔵小杉駅 北口】より徒歩4分(300m)
- 【東急線 武蔵小杉駅 中央口2】より徒歩5分(400m)
- 【横須賀線 武蔵小杉駅 綱島街道口】より徒歩5分(350m)
※google map参照
ターミナル駅のため各路線で神奈川エリア以外に、都内主要駅からもお越し頂きやすい立地となっております。
定休日:祝日を除く毎週 月曜日・木曜日 (完全予約制)
※飛び込みでのご入店はご遠慮ください
※その他臨時定休は > 営業予定をご確認ください。
メンズ・レディースのオーダースーツ、ジャケット、コート、シャツ、その他製品のオーダーメイド。
ビジネススタイルからカジュアルスタイルのオーダーまで幅広くご注文頂いております。
結婚式のタキシード・ウェディングスーツなどのフォーマルウェアに関するオーダーも承ります。
オーダー品以外の小物はオンラインショップのみのご案内となりますので下記よりご利用ください。